【感想/書評】凪良ゆう(著)『滅びの前のシャングリラ』★ネタバレあり

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※こちらは、内容にまで言及した【ネタバレあり】の感想です。

未読の方はネタバレなし版をどうぞ。

すでに読んだ方、もしくは内容を知っても問題ないという方はこのままお進み下さい。

凪良ゆう(著)『滅びの前のシャングリラ』中央公論新社 ★ネタバレあり

(※ウダウダと長い感想になってしまっていることを先にお伝えしておきます。)

さて。

凪良ゆうさんの作品はこれが2作目になります。読了冊数としては非常に少なく、その分感想も薄くなってしまう部分があると思いますが、お許しください。

ちなみに1作目は2020年本屋大賞を受賞した『流浪の月』でした。

事実と真実は違う。

外から見えている景色と、当人たちが抱いている想いは同じとは限らないという、儚くも温かいメッセージが込められていたこの作品は、小説初心者の僕にも分かりやすく、個人的にものすごく好きな作品でした。

そんな前提を据えた上で手に取ったこの『滅びの前のシャングリラ』。

「滅び」というマイナスイメージの単語が入ったタイトル。

「一ヶ月後、小惑星が衝突する」という衝撃の設定。

「クラスメイトを殺した。」というさらなる衝撃を伴う幕開け。

どれをとってもそこに「明るさ」はなく、「前作とは違う感じだな…」と思いながら読み始めました。

だけど読み終えてみると、不思議と当初思い描いたほどの残酷さは残っておらず、むしろ希望に近いメッセージを受け取ったのは僕だけでしょうか。

登場する人物は皆、小惑星報道が流れる前の「普通の」世界に希望を見出せていなかった人たちです。

友樹も雪絵も信士も静香も、それぞれ状況は違えど「何か」が足りていない人生だった。

そしてそれは、自らが引き起こした事態のせいで、というよりは「予め配られていたカードで」という部分も大きかったと思います。

そんな4人が、「どうせ死ぬんだから」という思い切りをもとに手を取り合って、その結果、いびつではあるけれど確かな幸せを見つけていく姿は心に響くものがありました。

(ちなみに「シャングリラ」というのは理想郷を意味する言葉だそうです。滅びる前にたどり着いた理想郷という意味で、ストレートで綺麗なタイトルだなぁ…なんて。)

ただ、それも誰かの不幸せの上に成り立っているというところが、決して綺麗事では済まされない残酷さであり、ある意味で資本主義という現実での日本を描いているようだと感じました。

蕎麦屋の老夫婦、ハート型のピアスの彼、はたまた、描き切れなかった部分で命を落としていった無数の人たち、、。

4人の絆の反面でこれらの人たちの姿が描かれていた点が、ただの美しい物語に収束しないリアルさがあって個人的には好印象でした。

少し話は逸れますが、実は今朝こんな夢を見ました。

家の前に火のついた棒を持った大量の人々がいて、その人たちが投げ込む火によって隣の家が火事になり、あと少しで僕の家にも燃えうつる。そして僕は玄関の扉を壊そうとする群衆を、扉一枚隔てて必死に押し返している

という夢です。

読んだ方は既にお分かりかと思いますが、これ、100%『滅びの前のシャングリラ』の影響です。

ハッと目覚めた時には、バクバクと音が聞こえるほど心臓の鼓動が早まっていました。

そして、思いました。

「良かった…生きてる…」って。

これまで、「生きる」ということにここまで特別な思い入れを持ったことはありませんでした。

だけどこの作品を読んでからというもの、自分でも意識していないところで改めて「生きる」ということに焦点が当てられていたようで、

いつ終わるか分からない人生を一歩一歩踏みしめながら歩いていこうと思うようになりました。

読み終わって1週間ほど経ってからこの記事を書いていますが、読んでいる最中、読んだ直後のインパクトよりも、読み終わってしばらく経ってからの追い討ちがすごい作品だったと感じています。

といったところで、感想としては以上になります。

端的にまとめられず、かなり長い感想になってしまったことお詫び申し上げます。

あまり小説に詳しくない僕の個人的な見解だったので、お詳しい皆様からすると「それは違うのでは?」という部分もあったかと思います。

皆さんはどうお感じになられたでしょうか?

ここまで熱心に読んで下さった皆さんの見解がすごくすごく気になりますので、

せっかくの機会ですから、もしよければ下のコメント欄から教えて下さい!

小説をどんな風に読んだら良いのか等も勉強させて頂けたらと思います。ぜひぜひ、お待ちしております(^^)

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