※未読の方を想定した【ネタバレなし】の感想になります。既にお読みの方は、こちらのネタバレあり版にお進み下さい。

町田そのこ(著)『52ヘルツのクジラたち』 中央公論新社 ☆ネタバレなし
2021年本屋大賞ノミネート作品ということで購入。
僕は本屋大賞をきっかけに知りましたが、「読書メーターOF THE YEAR 2020 総合ランキング1位」「王様のブランチBOOK大賞2020」など数々の賞を受賞しているこちらの作品。
タイトルを最初に見たときには「クジラは分かるけど、52ヘルツって何だ?」と思いましたが、帯にその答えが書かれていました。
52ヘルツのクジラとは
他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。
たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。
そのため、世界で一番孤独だと言われている。
町田そのこ(著)『52ヘルツのクジラたち』帯文より引用
なるほどそういうことか…と。
あまり前置きが長くなってもいけないので、結論から言います。
小説を読んで、初めて泣きました。
それも、3回も。
今まで、読んでいて展開に面白さを感じるとか作品のメッセージ性がすごく好きだという小説はいくつかありましたが、ここまで感情を揺さぶられた作品はありませんでした。
特に後半にかけての畳み掛けがすごく、涙腺が緩くなってしまったことに自分でも驚いています。
概要としてはこんな感じ。
人生を家族に搾取されてきた女性と、母親に「ムシ」と呼ばれている少年。愛を欲し、裏切られてきた孤独な魂が出会い、新たな物語が生まれる。
中央公論新社公式ホームページより引用
テーマは一言で言うと、「愛」。
人と人とが関わる中での「愛」について考えさせられました。
ネタバレ回避の記事なのでこれ以上は言及しませんが、
読みやすくスッと入ってくる文章と、まるでミステリーのように終始読者を飽きさせない展開で、小説初心者の僕でもしっかりと入り込むことができました。
テーマやあらすじだけを見ると物凄く重たくて悲しい印象を受けるかもしれませんが、描かれているのは決してそれだけではなくて、切なさの中に温かさもあり、希望すら感じることのできた作品でした。
できることなら記憶を消してもう一度この本に出会いたい、と思うほど心に響きました。
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