【感想/書評】町田そのこ(著)『52ヘルツのクジラたち』★ネタバレあり

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※内容にも言及した【ネタバレあり】の感想です。既にお読みの方、内容を知っても構わないという方のみお進み下さい。

まだ読んでないという方はネタバレなし版の感想をどうぞ。

52ヘルツのクジラたち表紙

町田そのこ(著)『52ヘルツのクジラたち』中央公論新社 ★ネタバレあり

さて。

小説を読むようになってまだ日が浅い僕ですが、人生で初めて泣きました。

しかも、3回も泣きました。

1回目は、貴瑚・美晴・愛の3人でご飯を食べているときに、匠からの伝言が伝えられるシーン。

友達は捨てられるものじゃないよ。オレは貴瑚ちゃんの友達のままだよ 

本書p.189より引用

なんかこう、何があっても信じてくれる友達の優しさと自分の経験がリンクして、ほろほろと涙が出てきました。

そして2回目は、深夜に抜け出した愛を貴瑚が追いかけ、はじめて「愛」と呼ぶシーン。

それだけでも涙で視界がぼやけていたのに、さらに「キナコ!」と呼び返した時にはもう、、ダメでした……(涙)

最後は、バーベキュー中に貴瑚と美晴が抱き合って泣くシーン。

「明日、お別れの時に言うときっと言葉がでなくなっちゃうし、帰れなくなっちゃうから、今言うね。あんたは私の、誰よりも大切な親友だよ。」 

本書p.253より引用

美晴のこういう素直に想いを伝えるところがすごく好きでした。

ダメなことはダメってちゃんと言ってくれる友達がどれだけ大切なことか、、と。

全体的に見ても濁すような表現、読者に続きを考えさせるような感じはなく、分かりやすさが際立った作品だと思いました。

ラストのあたりは、そろそろ終わるだろうな…という感覚からまだ5ページぐらい続きがあって、「そんなにちゃんと説明してくれるんだ」と少しびっくりしたぐらいです。

小説の読解に長けている方からしたらややくどすぎるのかなぁ…とも思いますし、

実際ネットのレビューにはそういう意見もあって、そこは分からなくもありません。

ただ、濁されると迷子になってしまう初心者の僕からすれば、ものすごく親切に感じた表現でした。

それもあって作品にしっかりと入り込むことができましたし、スッキリとした読後感を味わうこともできました。

僕の中ではかなり高評価の作品です。

気がかりな点があるとすれば、やはりアンさんの声を最初に受け取れなかったこと…ですよね。

言えなかった。

聞けなかった。

届かなかった。

受け取れなかった。

様々な想いが交錯する一連の出来事は残念すぎるぐらい残念でした。

ただ、その後悔があったからこそ愛を救い出せた側面もあるのかなぁ…と思ったりして、

アンさんの意を汲むという意味でも、希望的な意味合いでこの作品を捉えていくべきなのかなと僕は思いました。

そしてこの作品は、愛(いとし)の名前の通り「愛」についてひたすら考えさせられた作品でもありました。

親の「愛」

友達の「愛」

誰かからの「愛」

それらと幾度となく向き合うことで、自分も誰かに「愛」を繋いでいける存在でありたいな、と。

そう思わせてくれた作品でした。

皆さんはどうだったでしょうか。

もしよろしければ、ぜひぜひ下のコメント欄から皆さんの感想を教えて頂けると嬉しいです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

p.s.

主税(ちから)ってあんな複雑な漢字にする必要あったんですかね…(^^;)

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