【感想/書評】加藤シゲアキ(著)『オルタネート』★ネタバレあり

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※内容にも言及した【ネタバレあり】の感想です。既にお読みの方、内容を知っても構わないという方のみお進み下さい。

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オルタネート表紙

加藤シゲアキ(著)『オルタネート』 新潮社 ★ネタバレあり

さて。

僕は今年の本屋大賞ノミネート作品の中で、この『オルタネート』の感想が一番難しいなぁ…と思っています。

というのも、読む前からすでに高い評価を得ている作品なんですよね。

本屋大賞ノミネートはもちろんとして、吉川英治文学新人賞直木賞候補作と、歴史のある賞を受賞しているので、どうしてもそういう目で見てしまう。

だけど、本当に正直なことを言っていいのなら、

期待していたわりには…という印象を受けた作品でした。

ただこれは事前の期待値が高すぎただけなのか、それともやはり仕方ないのか、あるいは僕の理解力の乏しさが影響しているのか。

既に箔が付いている分、この辺りの判断が非常に難しいんですよね。

でもやっぱり、そこは歴史ある賞の評価を信じたいと思います。

実際、「オルタネート」という高校生限定のマッチングアプリという設定は当然類を見ないものでしたし、その点の面白さは間違いなくありました。

そして、いくつか心に響いた言葉もありました。

例えば、こちら。

「やめないよ、だって好きだもん。それでやめたらさ、俺の好きな気持ち、人に盗られたってことになるじゃん。俺の好きは自分で守るし、誰にだって奪えない」

本書p.181より引用

蓉を家に招き、料理について話を深める中で出てきた三浦くんの言葉です。

「好きは自分で守るし、奪えない」

というのはたしかにそうだし、強くてカッコいい言葉だなぁと思います。

他にも、こんな言葉がありました。

「新芽を摘んでもやしとして食べることを選択したなら、その大豆を食べることはできない。逆も然りだ。どちらかしか選べない。わかるな」

本書p.355より引用

蓉にとって最後となる『ワンポーション』を終え、少しずつ状況が変わっていく中で父が発したセリフです。

あくまで料理の手順として出てきているけど、まさに人生そのものを表現したセリフだったなぁ…と。

どちらかを選ぶということはその他を選ばないということで、まさにその経験をしたお父さんから放たれるこの言葉はすごく印象に残りました。

全体としてはもう少しページ数を割いてじっくり展開してほしかったかなという印象は受けたものの、

最後には『オルタネート』に依存していた者がそれを手放し、拒絶していた者がそれを受け入れるという、まさにalternate(交互に起こる)な展開に爽やかさを感じました。

決して受け入れられない「今」かもしれないけど、季節が移ろいゆくように、それ自体もやがては変化していく。

焦ることなく一歩ずつ進んで行けばいいのかな、とそんなことを考えた作品でした。

皆さんはどうだったでしょうか。

もしよければ、下のコメント欄かTwitterで皆さんの感想も教えて頂けると嬉しいです。

ではでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。

↓『オルタネート』新潮社公式ホームページ

加藤シゲアキ『オルタネート』新潮社公式サイト
加藤シゲアキ、「小説新潮」に初登場。長編小説『オルタネート』発売決定

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