【感想/書評】ディーリア・オーエンズ(著)友廣純(訳)『ザリガニの鳴くところ』★ネタバレあり

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※内容にも言及した【ネタバレあり】の感想です。既にお読みの方、内容を知っても構わないという方のみお進み下さい。

まだお読みでない方はネタバレなし版へお進み下さいませ。

ディーリア・オーエンズ(著)・友廣純(訳)『ザリガニの鳴くところ』早川書房 ★ネタバレあり

さて。

正直なことを言うと、なんと表現したら良いのか分からない気持ちにさせられたという印象の作品でした。

中盤あたりのなかなか物語が展開していかない部分では少し気持ちが折れそうになりましたが、

ラストに向けての急加速ですべてひっくり返されました。

皆さんは、どうだったでしょうか。

正直、途中までは裁判でカイアが「無罪判決を勝ち取ること」がこの物語のすべてで、そこで終わるんだろうと思ってページをめくっていきました。

でも、それだとチェイスの死については言及されないままなのか?

そこについては深く考えるべきではなく、あるいは読者に考えさせるのか?

いや、いっそやっぱりテイトが実行したのか?

など、色々な憶測を勝手に抱いていましたが、最後の最後で言及されたことによりその点についてはスッキリしました。

が、

そうなってくると今度はカイアの行いに対する感情が複雑になってくる。

チェイスの一件は、読者としてどう捉えるべきだったのか?

と最初は思ったのですが、

考えれば考えるほど「善悪で捉えられる話ではない」と思うようになりました。

もちろん、善か悪かで言ったら間違いなく悪だと判断されるでしょう。

最初からすべての事実が明らかになっていたとしたら、カイアにはあの時、確実に有罪判決が下っていたはずです。

だけど。

じゃあ、カイアはまるっきり悪者だと言えるのか?

そもそも、カイアが実行しなければ今度はカイア自身が危険に晒されていたのではないか?

などと考えていくと、

善も悪も含めて、ヒトという生き物、自然。

なにもかもを2択で捉えるのが裁判だけど、なにもかもが2択で捉えられるほど自然は単純じゃない。

そんなことを考えさせられた作品でした。

この点に関しては読み手によって様々な解釈があるだろうと予想しますし、この記事もあくまでひとつの意見として捉えて頂ければと思います。

正解なんてないんですからね…。

ネットのレビューではテイトの言動に関して「身勝手すぎる」という意見も見られましたが、

個人的には、短絡的かもしれないけれど、最終的にお互いが望む形で日々を過ごすことができたのならそれでいいんじゃないかなと思いました。

皆さんはどうだったでしょうか?

正解がないだけに僕一人の見解をツラツラと述べるのはすごく不安の募る作業だったので、(笑)

良かったら皆さんの感想も、下のコメント欄かもしくはTwitterで教えて頂けると嬉しいです。

ではでは、今回も長文にお付き合い頂きありがとうございました。

p.s.

個人的には、カイアが詩人だと判明したあの場面。

誰に届くわけでもないのに書き続けるという点で、この「ネタバレあり」の記事を書く自分と作中のカイアが勝手ながらリンクして、少しニヤついてしまいました。

同じにして良いものではないですが…。


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