※未読の方を想定した【ネタバレなし】の感想になります。既にお読みの方は、こちらのネタバレあり版へお進み下さい。

凪良ゆう(著)『すみれ荘ファミリア』講談社タイガ文庫 ☆ネタバレなし
2020年の本屋大賞を受賞した『流浪の月』で凪良ゆうさんのファンになり、この度新刊が出たということで購入。
この作品は、2018年に富士見L文庫より出版された同タイトルの作品が加筆修正され、さらに巻末に書き下ろし短編が加えられたものになります。
あらすじはこんな感じ。
下宿すみれ荘の管理人を務める一悟は、気心知れた入居者たちと慎ましやかな日々を送っていた。そこに、芥と名乗る小説家の男が引っ越してくる。彼は幼いころに生き別れた弟のようだが、なぜか正体を明かさない。真っ直ぐで言葉を飾らない芥と時を過ごすうち、周囲の人々の秘密と思わぬ一面が露わになっていく。
愛は毒か、それとも救いか。本屋大賞受賞作家が紡ぐ家族の物語。
講談社BOOK倶楽部より引用
ネタバレ回避のためあくまでサラッとした感想になってしまいますが、一言でいうと
めちゃくちゃ惹きつけられた作品でした。
まさかの方向へ二転三転していく物語にページをめくる手が止まらず、ゆっくり読もうと思っていたのに2,3日で読み切ってしまったほどです…。
でも、ただ面白いだけではないのが凪良作品。
読後にはしっかりと気付きというか発見というか、「あぁ…そうだよな」と前向きに考える機会を与えてくれます。
このあたりは『流浪の月』や『滅びの前のシャングリラ』を読んだ後の気持ちに近いものがありました。
コインに裏表があるように人間にも裏表があって、でもそれは「裏」と「表」に二分できるような単純なものではなくて、誰もが何かしら事情を抱えて生きている。
そんな、現実世界にも通ずる繊細な人間模様を見事に描き出している作品でした。
個人的には最近読んだ中でもかなり上位に入る作品なので、読みたい小説を探している方には満を持してオススメします。
超主観的オススメ度 ★4.5
★他にも小説の感想を多数投稿しています
・【感想/書評】凪良ゆう(著)『滅びの前のシャングリラ』☆ネタバレなし
・【感想/書評】町田そのこ(著)『52ヘルツのクジラたち』 ☆ネタバレなし
・【感想/書評】ディーリア・オーエンズ(著)友廣純(訳)『ザリガニの鳴くところ』☆ネタバレなし
などなど
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