【感想/書評】凪良ゆう(著)『すみれ荘ファミリア』★ネタバレあり

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※内容にも言及した【ネタバレあり】の感想です。既にお読みの方、内容を知っても構わないという方のみお進み下さい。

まだお読みでない方はネタバレなし版へお進み下さいませ。

凪良ゆう(著)『すみれ荘ファミリア』講談社タイガ文庫 ★ネタバレあり

さて。

ネタバレ考察といいつつ大したことは書けないので、本当にただダラダラと読み終わったあとの感想を書いていきます。

まず読後の印象としては、決して透き通ってはいないけれど、濁りきってもいない爽やかさみたいなものを感じました。

一冊を通して

「周りから見えている景色と、本人が見ている景色は同じようで全く違う」

というメッセージを突きつけられた気がします。

この点においては、「事実と真実は違う」というメッセージ性を強く感じた本屋大賞受賞作『流浪の月』に通ずるものがありました。

ちなみに僕はこのメッセージが凄く好きで、初の凪良作品となる『流浪の月』を読んでからというもの、すっかり凪良ゆうさんのファンになってしまいました。

なのでこの『すみれ荘ファミリア』も個人的にかなり好きな小説でした。

『流浪の月』『滅びの前のシャングリラ』と比べるとミステリー性も強く、単純に読んでて楽しいというか、続きが気になるという面白さもありました。

ー誰かに押された。

隼人たちの肩越し、芥と目が合った。いつもの淡々とした様子とは違う。

眉根を寄せて、鋭い目で和久井を見つめている。

本書p.156より引用

今思うとこの場面なんかは、芥が押したのではなくて和久井が青子に狙われていることを、芥が鋭い目で疑問に思っていたんだと捉えることができますね。

え、芥くんが前にうどんの麺にこだわるようなことを言ったの?

本書p.258より引用

この場面なんかも、

「やっぱり細麺なんだね」

本書p.107より引用

からの伏線が効いていてミステリー的な面白さがありました。

また、テーマとして「愛」が絡んできているのも決してフィクションにとどまらないリアルさに繋がっていたと思います。

初めてだったから、加減がわからなかったのね。すごく怖かった。

(中略)一悟くんと悦実さんからありがとうって感謝してもらえて、わたし…なんだか…わたし。

嬉しくなってしまったの。

本書p.213より引用

「いや、なに嬉しくなっとんねん!こわ!」

と最初こそ思いましたが、行き過ぎた愛のこじれ方としては決して不自然ではない。

怖いですけどね…。

そんなこんなで結末を迎え、僕がこの作品で一番好きだった言葉が登場しました。

世界にも、心にも、グレーゾーンというものがあっていい。

本書p.304より引用

地の文として書かれていますが、ほぼほぼ一悟の言葉と考えていいでしょう。

人間には誰しも必ず裏表というものがあるけれど、それはコインの裏表のように、トランプの裏表のように、「裏」と「表」に綺麗に二分されるものではない。

様々なグラデーションの中で、その時々で色を変えながら、皆なにかしらの事情を抱えて生きている。

そんなことを考えさせてもらった作品でした。

皆さんはどうだったでしょうか。

つらつらと他愛もないことを言っておいて申し訳ないのですが、もし良かったら皆さんの感想も教えて頂けると嬉しいです。

下のコメント欄かTwitterからいつでもお待ちしております(^^)

ではでは、最後までお読み頂きありがとうございました。


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