【感想/書評】F(著)『20代で得た知見』

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F(著)『20代で得た知見』 KADOKAWA

最近、「20代で〜」系の本に目が行くようになり、この本はいくつか試し読みした中でも特に異彩を放っていたため購入。

というのもこの本、いわゆるビジネス書や実用書とは違い、一言でいうと「ポエム集」のような内容になっています。

著者のFさんは他にも、『いつか別れる。でもそれは今日ではない』『真夜中乙女戦争』などのヒット作を出されている小説家・エッセイストなのですが、

実はその多くは謎に包まれています。

実際、本の巻末に書かれているプロフィールはたったこれだけです。

1989年11月生まれ。神戸出身、新宿在住。男。

本書巻末より引用

僕も今まで結構たくさんの本を読んできましたが、このプロフィールは群を抜いた短さです。(笑)

ただ、本の中においてはこの「謎加減」が良い意味で先入観を取り除き、フラットに言葉を届ける役目を果たしてくれています。

先に結論から言っておくと、かなり良い本に出会えたな…という感想を持ちました。

必要以上の文字数は使わない。

だけれども、核心は逃さない。

そんな、凛とした言葉をたくさん浴びることのできる本でした。

一例を挙げるとこんな感じです。

なんかだめだなって思った人は、大抵だめじゃないですか。

めっちゃいいなって思った人も、大抵だめ。

でも、なんかいいなって思った人は、ずっとなんかいい。

私たちは、私たちが思う以上に「言葉にならないもの」を愛しているのだと思う。

本書p.54「些末な予感として」より引用

たった一行で書かれた短い言葉もあります。

過去でも未来でもなく現在に全神経が集中している時こそが幸福

本書p.87「全二十代に捧ぐ55の知見」より引用

こんな風にじんわりと心に響いてくる言葉がたくさん登場します。

本当はまだまだ紹介したいものがたくさんあるのですが、すべて引用していると流石に長くなるので、気になる方は実際に読んでみてください。

どんな人にも必ず支えになる言葉があるはずです。

そういった意味では、タイトルこそ「20代で〜」となっていますが、決して読み手を20代に限定する本ではないと感じました。

30代以上の方であっても、逆に10代の方であっても、問題なく効力を発揮してくれることでしょう。

ただ。

この本は、読書を「知識を吸収するための手段」と捉えている方には、ハッキリ言って刺さらないと思います。

誤解を恐れずに言うならば、目新しい情報や効率を上げるテクニックは書かれていませんからね…。

一方で、読書を「他ならぬ言葉との出会い」、あるいは「自分自身との対話の手段」と捉えている方にはこの上なく適した本だと言えます。

ここは共感できた。

ここはまったく分からなかった。

それらすべてを含め、自分の中の「何か」と触れ合う機会になることは間違いありません。

僕はこの本を読んで、濁っていた頭の中が濾過されたような感覚になりました。

超主観的オススメ度 ★4.0


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