【感想/書評】貴志祐介(著)『新世界より』☆ネタバレなし

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貴志祐介(著)『新世界より』講談社文庫 ☆ネタバレなし

出版関係の知り合いの方にオススメして頂き、購入。

あらすじはこんな感じです。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖(かみす)66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。周囲を注連縄(しめなわ)で囲まれたこの町には、外から穢れが侵入することはない。「神の力(念動力)」を得るに至った人類が手にした平和。念動力(サイコキネシス)の技を磨く子どもたちは野心と希望に燃えていた……隠された先史文明の一端を知るまでは。

『新世界より(上)』より引用

貴志祐介さんの作品は個人的にこれが2作目となりますが、

1作目に読んだ『クリムゾンの迷宮』が、過去に書いたオススメ本ランキングにも選出するほど好みの作品だったので、

今回もかなり期待値を高めた状態で読み始めました。

だからでしょうか。

見たことない生物が出てきたり、慣れない造語が多々登場したり、強めのSF感に少し抵抗を感じてしまいました。

…(上)までは。

(上)の前半あたりまでは特に情景を思い浮かべるのが難しく、正直何度か読むのをやめようか迷ったほどでしたが、

それでもなんとか読み進めて(中)にまで差し掛かってくると、徐々に世界観にも慣れてきて、

今度は逆にそれまでの停滞を取り返すかのような激しい没入感に襲われました。

『クリムゾンの迷宮』を読んだ時にも同じ現象が起こりましたが、文字通りまさに

「ページをめくる手が止まらなくなる」

状態に入り、あとはただ流れに身を任せるだけで気が付くと最後まで一気読みしていました。

文庫本3冊に及ぶ壮大な物語を一気に駆け抜けたあとの気持ちとしては、

ただただ世界観に圧倒された

と表現するしかなく、結末を迎えた時にはしばらくその場から動けませんでした。

1000年後の日本という現実離れした設定、未知の生物や理解しがたい状況など、表面上はSF超大作という分厚い殻に覆われていますが、核の部分にあるメッセージにはむしろ現代にこそ通ずるものがあって…

もう、長くなるので簡潔に言います。

文庫本3冊分の時間と労力を決して無駄にはしない作品でした。

合計1500ページを超える物語を読み進めていくのは正直かなり根気がいりますが、それに見合うだけの内容の濃さがあります。

なのでこの作品は、

・現実世界を離れて、ひたすら作品の世界に没頭したい方

にはオススメと言えます。

ただひとつ注意点があって、これは先ほど述べた「僕が読むのをやめようか迷った」理由にも繋がるのですが、

・細かな設定や疑問点がいちいち気になってしまう

は気をつけないと挫折感を味わうと思います。(まさに僕がこのタイプなので…^^;)

別の言い方をすれば、小説を読んでいるときに最初の設定や登場人物の紹介を何度も読み返したことのある方は要注意です。

そういった方は、気になる箇所は一旦無視して、思い切って読み進めるという選択をされることをオススメします。

そうすることで、のちのち出てくる描写によってひとつ前の不可解な状況が腑に落ちるみたいな要領で、次第に世界観に溶け込んでいくことができるはずです。

ということで長くなりましたが、

大枠のジャンルとしては間違いなく「SF」でありながら、要素としてはいくつものジャンルを複合させた印象の作品でしたので、気になる方はぜひ一度読んでみて下さい。

そして、よければ皆さんの感想も教えてください(^^)

以上、長文にお付き合い頂きありがとうございました。

超主観的オススメ度 ☆3.5

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p.s.

(以下、完全なる余談です。少しだけ「設定」にふれていますが、展開のネタバレはしていません。)

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読んでいて何度か

「この感じ、どこかで一度見たことがあるような無いような…」

と思う場面がありました。

ずっと引っかかったまま読み進めて、

「あれ?勘違いだったかな」

と思い始めた矢先、出てきたセリフにハッとさせられました。

(中略)

全員の生殺与奪の権を握って、しばしば冷酷非情な…(以後略)

『新世界より(中)』p.258より引用

ほかにも、

「笑止千万」という言葉や「血の匂い」といった言葉も作中には出てきました。

そして、人間とは似て非なる存在として「圧倒的に強い鬼」も出てきます。

…もう、分かる方には分かると思います。

そう、『鬼滅の刃』の世界観になんとなく似ているんですよね。

といっても、『新世界より』の発売が2008年、鬼滅の刃の1巻の発売が2016年なので、

正しくは『鬼滅の刃』の世界観が一部『新世界より』と共通しているということになりますが。

(あくまで作中の一場面において。そしてあくまで僕の主観です。)

さらに、登場人物は「呪力(じゅりょく)」と呼ばれる必殺技みたいなものを駆使しながら生活しています。

その点では、『呪術廻戦』の世界観にも似ているところがありました。

なので、これらのアクション系が好きな方にも本作品はオススメと言えます。

ただ、個人的にはそういった観点から

「これ、アニメで観た方がより面白さを感じられるのでは…」

と思うことが少なからずありました。

そして、調べてみると…

あるんですね。アニメが。

ということで、小説の世界観と照らし合わせながらアニメも観てこようと思います。

どっちがどうだったみたいな話は、またおいおい追記したいと思います。

それでは。。。

(ここまでご覧頂いた方には最大限の感謝を申し上げます。(^^))

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