
梅村達(著)『派遣添乗員ヘトヘト日記』 三五館シンシャ
以前投稿した『マンション管理員オロオロ日記』と同じ“日記シリーズ”の他の作品が読みたくて、購入。
今回は「派遣添乗員」バージョン。
修学旅行や社員旅行のバスで、運転手さんとは別で同行してくれていたあの方たちのことです。
著者の梅村さんは元々塾講師やライターをされていましたが、ふとしたきっかけで50歳のとき添乗員に。
当年66歳、本日も“日雇い派遣”で旅に出ます
というサブタイトルからも分かるように、以来20年近く添乗員としてキャリアを築かれています。
だからこそ語ることのできる赤裸々なお話が今回もたくさん書かれていました。
以下はほんの一例です。
クレームをつける人、つけない人は、表情、雰囲気、目つきでほぼ100%見分けられるようになった。長年の添乗員生活における危機管理術と言えるだろう。
本書p.35より引用
これまで日記シリーズをいくつか読んできましたが、「派遣添乗員」というお仕事はその性質上、
一度旅に出てしまうと帰ってくるまでお客さんと離れられない
という点でちょっと特殊というか、苦労の度合いが違うな…という印象を受けました。
他の職業だと、どれだけぶっ飛んだクレーマーが来ても、その人と2泊3日は絶対一緒にいないといけない!みたいな状況にはまずならないですからね…。(・・;)
旅行終わりのアンケートなんかは、毎回かなり辛辣だそうです。
明らかに粗さがしやクレームを生きがいにする人もいて、参加者全員からパーフェクトな評価をされることはまずない。
本書p.48より引用
とにかく、
今後もし旅先で添乗員さんと接する機会があれば、絶対に「ありがとう」って言おうと思った本でした。
(これは“日記シリーズ”すべてにおいて言えることです…。)
ただ、全部が全部イヤ〜な話ばかりではないので、酸いも甘いも含めて
・派遣添乗員という職業の実態に興味がある方
・または単純に旅行が好きな方
にはオススメの本だと感じました。
今度旅行するときには、世界がちょっと変わって見えるかもしれません。
超主観的オススメ度 ☆3.5
★他にも本の感想を多数投稿しています
・【感想/書評】南野苑生(著)『マンション管理員オロオロ日記』
などなど。
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