
小野寺史宣(著)『ライフ』 ポプラ文庫
ほのぼのとした小説が読みたいな〜と思っていたところ、書店で見つけたので購入。
あらすじはこんな感じです。
高校時代に父を亡くし、母は再婚して別の家庭にいる井川幹太は、やりたいことも見つからぬまま二十七歳になっていた。勤めていた会社を辞め、コンビニでアルバイトをしながら荒川沿いのアパートで暮らす静かな日々。だがある日、上の部屋に戸田という騒がしい男が引っ越してきて__。
本書裏表紙より引用
著者の小野寺史宣さんは、2019年の本屋大賞で第二位に輝いた『ひと』などの話題作を数多く世に出されている方です。
個人的には初読みとなる作家さんだったので、どんな感じかと思いながら読み始めましたが、、
良かったです。
(ちょっと雑かもしれませんが)一言で表すならフーーッと肩の力が抜けていく感じで、
期待を下回ることなく、そして(良い意味で)大幅に上回るわけでもなく、
「それでいいんだよ」と言われているような、
そっと背中を押してもらったような気がした作品でした。
ハッキリ言ってしまえば、この作品では殺人事件が起こったり、散りばめられた伏線が…というような展開はまったく起こりません。
でも、だからこそ、
少しずつ変化していく主人公の気持ちを読み取ることができたり、自分自身と今一度向き合うことができるといった、しずかな良さがあります。
加えて、これは実際に読んで頂かないと伝わりにくいかと思いますが、
シンプルな言葉を非常に大切にされているなぁ…
といった印象を受ける文章で、難しい言葉や表現はまったくなく、スッと読んでいける「読みやすさ」がありました。
そういったところも、この作品の優しさや温かさを後押ししているんだと思います。
というわけでまとまりのない記事になってしまいましたが、
・難しい作品から離れて、ちょっと一息したい方
・しずかで温かい、人と人との繋がりを感じたい方
にはオススメの作品です。
次は、冒頭でご紹介した『ひと』を読んでみたいな〜と思った管理人でした。
超主観的オススメ度 ☆3.5
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